以前に書いた記事「作曲初心者が初めにおさえておきたい3つの音楽理論」で紹介した3つの音楽理論について、それぞれをより詳しく説明していきたいと思います。
今回ははじめに紹介した「音程」についてです。
音程(インターバル)とは
そもそも音程(インターバル)とはなんなのでしょうか?
音程(おんてい、英語:interval、インターバル)とは、ふたつの音の高さの隔たり、あるいは関係をいう。ふつう全音階上で考え、1度から8度の度に分類された上で、細分される。完全1度はユニゾンとも呼ばれ、この場合の隔たりはゼロである。全音階上で隣り合う2音の音程は1度ではなく、2度になる。
「音程-Wikipedia」より
特に重要な点は最初の一文「ふたつの音の高さの隔たり、あるいは関係」という部分です。つまり「ある2つの音の間にはどれくらいの音程差があるのか」ということ。
例えば「ドとソにはどれくらいの音程差があるの?」と問われたらどう答えますか?音程とはこういったことを差しています。
全音と半音
みなさん一度は聞いたことがある用語だと思います。これらも2音間の隔たりがどれくらいあるのかを表していますよね?
言葉で説明するより鍵盤上で説明したほうがわかりやすいでしょう。
鍵盤上の音の関係を全音半音で表すとこのようになります。
重要な点は「ミ」「ファ」間と「シ」「ド」間の関係が半音であるというところです。
度数について
全音半音のほかに「度数」という表記の仕方が存在します。「完全1度」や「長3度」といったものがそうです。
やっかいなことにこの度数がややこしい。
しかし理論を勉強する上では当たり前のように登場するので、これから理論を本格的に勉強しようとしている方はなるべく早く理解できるように頑張ったほうがよいでしょう。
度数音程の基礎
ドを基準とした場合、各音との度数の関係はこのようになります。
「ド~ド(同じ音)」は1度、「ド~レ」の音程差は2度。そこから順番に増えていき「ド~ド(オクターブ違い)」で8度となります。
実はこの図はまだ不完全な状態です。
本来なら「完全1度」や「長3度」などと表記します。つまり「完全」や「長短」といったものがつくのですが、いきなりこれらを付け足すとわけがわからなくなると思うので、まずはこの状態で覚えましょう。
先の「ドとソにはどれくらいの音程差があるの?」という問い。答えは「5度」違いであるということは理解できましたでしょうか?
完全系の音程
度数音程には「完全系」と「長短系」の2つに分けられます。まずは「完全系」から。
完全系音程は「1度」「4度」「5度」「8度」です。
4度や5度はときに「#」したり「♭」したりします。その場合には「増」や「減」が付きます。下の図は完全5度が#または♭した場合のもの。
長短系の音程
長短系音程は完全系音程以外の「2度」「3度」「6度」「7度」です。そして長短系には「長○度」「短○度」といった2つが存在します。
まずは「長音程」からです。
下の図を見るとわかると思いますが「度数音程の基礎」の図に「長」を付けただけになります。つまり、長短系音程は「長音程」を基本に考えます。
続いて「短音程」です。
短音程は長音程を半音下げたものです。なのでここでは黒鍵ばかりですね。
ここで注目してほしいのが「増5度」と「短6度」です。図で比較すると同じ「G#(A♭)」になっています。つまり「増5度」と「短6度」は実質的に同じ音程差ということになります。
※厳密には増5度と短6度には違いがあります。あくまで「増5度」≒「短6度」と考えてください。ちなみにこのような関係になる音程がいくつかあります。(例:「長3度」≒「減4度」)
まとめ
はじめはややこしい「度数」ですが、慣れてくるとすぐにわかるようになります。またここで「長短」や「完全」「増減」についてよくわからなくても、スケールやコードも合わせて勉強していくとわかってくることが多いので諦めずに勉強してみましょう。
音楽理論はそれぞれ密接に関係しているので、別のところに理解するヒントが隠れていたりするので、興味があるところからどんどん勉強してみるのも良いでしょう。