初心者がおさえておきたい音楽理論基礎~スケール編~

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楽譜とバイオリン

初心者がおさえておきたい音楽理論基礎。今回は「音階」についてです。英語では「スケール」と言いますが、楽器をされている人にとってはこちらのほうが耳に馴染みがあるのではないでしょうか?

世の中には本当に数えきれないくらい、いろいろなスケールがありますが特に覚えておかなければいけないスケールはほんの数種類だったりします。その中でも音楽初心者が覚えておきたいスケールについて紹介していきます。

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音階(スケール)とは

音階(スケール)とは簡単に言うと「ある一定の法則で並んだ音の羅列」です。「ドレミファソラシド」は誰もが知っているもっとも有名なスケールだと思いますが、この「ドレミファソラシド」もある決められた一定の法則で並んでいるのです。

スケールの学ぶときはこのスケールごとに決まった法則、つまりその音の羅列がどのように並んでいるのかを覚えていくことが重要になってきます。具体的な話については後に説明していきます。

最初に覚えるべきスケール

初心者が最初に覚えるべきスケールは以下の2つです。

  • メジャースケール
  • ナチュラルマイナースケール

曲の調(キー)は大きく分けると長調(メジャー)と短調(マイナー)に分けられますが、長調(メジャーキー)のときに使うスケールが「メジャースケール」で、短調(マイナーキー)のときに使うのが「ナチュラルマイナースケール」というふうに考えてください。

一般的な曲ならこの2種のスケールどちらかで作られているはずです。

部分的にこれらとは別のスケールが使われることもありますが、基本的にはこのメジャースケールとナチュラルマイナースケールが使われています。

メジャースケール

さきほど挙げた「ドレミファソラシド」はこのメジャースケールになります。ドレミファソラシドの場合、ド(C)がルートになるので正式には「Cメジャースケール」と言います。

メジャーキーの場合に使われるスケールで、誰もが耳に馴染みのある音階だと思います。また、メジャースケールは音楽理論のなかでは一つの基準として扱われいる側面があるので、これから音楽理論をもっと勉強しようとする人は必ず覚えておきましょう。

先にも言いましたが、スケールを覚える際にはその音の羅列がどのように並んでいるのかを知ることが重要になります。

下図は鍵盤上のCメジャースケールがどのように並んでいるのかを表したものです。

Cメジャースケール

このようにCメジャースケールは「全・全・半・全・全・全・半」という法則で並んでいますね。この法則はルートが変わっても決して変わりません。

Dメジャースケール Eメジャースケール

ルートがレ(D)になってもミ(E)になっても、メジャースケールであるなら全て「全・全・半・全・全・全・半」という間隔で並んでいることがわかると思います。

メジャースケールは非常に覚えやすいスケールなので、これを基準に他のスケールがメジャースケールからどれくらいずれているかで覚えていくと効率がいいですよ。

ナチュラルマイナースケール

メジャースケールはメジャーキーで使われるスケールでしたが、こちらはマイナーキーで使われるスケールです。こちらもCをルートにした「Cナチュラルマイナースケール」を例にして見てみましょう。

Cナチュラルマイナースケール

ナチュラルマイナーは図のとおり「全・半・全・全・半・全・全」という並びになっていますね。メジャースケールのときと同じく、ルートが変わったとしてもナチュラルマイナースケールであるかぎりこの間隔が変わりません。

実はラ(A)をルートにした「Aナチュラルマイナースケール」見てみると、開始する音が違うだけ(ルート音が違うだけ)で「Cメジャースケール」で使われている音と全く同じになります。これは「Aマイナーキー」と「Cメジャーキー」が平行調と呼ばれる関係にあるため起こります。

Aナチュラルマイナースケール

詳しいことは置いときますが、ナチュラルマイナースケールを覚える際は「ラシドレミファソラ」の並びなんだと覚えてしまうのがもっとも手っ取りでしょう。

スケールの活用法

ここまで2種類のスケールを紹介しましたが、これらをどのように活用するかを考えないとスケールを覚えた意味がありません。ここからはこの2種類のスケールがどのように活用できるのかを紹介していきます。

曲の耳コピに活用

これらのスケールを知っていると、曲を耳コピする場合に非常に便利です。1音1音手探りで音を見つけるのも良いですが、スケールを知っていればある程度予測して音を探せるようになるので、圧倒的に耳コピのスピードが上がります。

曲のキーがあらかじめわかっているのなら、そのキーに対応するスケール(Key=CならCメジャースケール、Key=DmならDナチュラルマイナースケールといった感じ)の音を確認してしまえば、その曲で使われている音の8割はわかってしまったも同然。あとはどのように音を組み合わせているのかを調べるだけです。

メロディはもちろん、コードもスケール内の音で構成されていることがほとんどなので、耳コピにスケールの知識はとても重宝します。

耳コピしたい曲のキーがわからない場合は、AメロでもBメロでもサビでもいいので、とにかくメロディラインの音を調べて低い音から順に列挙してみましょう。メロディだけなら音楽初心者でもがんばって音を探すことができると思います。

そして、その列挙した音のなかに「全・全・半・全・全・全・半」または「全・半・全・全・半・全・全」のどちらかに当てはまっている部分がないかを確認します。そこから耳コピしたい曲が何のスケールで作られているのかを判別できればキーも自動的にわかってしまいますので、その後の耳コピ作業が非常に捗ることでしょう。

作曲に活用

作曲の際にもスケールは非常に重宝します。というか、スケールを知っていないとメロディを組み立てる際に大変なのではないかと思います。

はじめのうちは適当にキーを決めて、それに対応するスケールの音だけをピアノ等で弾きまくっていれば自然とメロディが出来上がってしまうことも少なくないでしょう。音楽経験の浅い人が作曲に挑戦すると調性がぐちゃぐちゃになってしまうことがあるのですが、はじめに「Cメジャースケールの音を使う」「Dナチュラルマイナースケールの音を使う」と決めておくとそういったことが防げます。

コードを付ける際にも、そのスケール内の音で適当に積み上げてやるだけでもメロディに対して何かしら良い響きのコードが見つかるはずなのでいろいろ試してみましょう。

まとめ

今回紹介した「メジャースケール」と「ナチュラルマイナースケール」は音楽理論において基本中の基本なので、とりあえずでも覚えておくといいでしょう。

メジャーキーの場合はメジャースケール一辺倒で何とかなるのですが、実はマイナーキーの場合は少し特殊で、ナチュラルマイナーの他に「ハーモニックマイナースケール」「メロディックマイナースケール」というスケールもセットにしないと不完全な部分があったりします。なので、少し余裕が出てきたらこちらのスケールについて調べてみることもおすすめします。

今回の内容で特に重要なのは以下の4点です。

  • スケールを覚える際は音がどういう間隔で並んでいるのかを覚える
  • メジャースケールは「全・全・半・全・全・全・半」
  • ナチュラルマイナースケールは「全・半・全・全・半・全・全」
  • ルートが変わってもこの並びは変わらない

それでは次回は「ダイアトニックコード」についてお話していきたいと思います。

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