アナログライクで高音質なオーディオインターフェース「iD22」レビュー

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今回は、私がメインに使っている機材の中でも中枢を担っていると言っても過言ではない機材、audientのオーディオインターフェース「iD22」についてレビューしていきます。audientのオーディオインターフェースとしては一番古い機種になりますが、私の家ではいまだ現役です。

気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

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iD22の概要

・多機能かつ高音質が売りなミドルクラスのインターフェース

・2in6outのアナログ入出力を装備

・ADATまたはSPDIFによる入出力拡張が可能(ADAT/最大8in8out、SPDIF/最大2in2out)

・アナログ入力2つにはそれぞれセンド/リターンがあり外部のEQやコンプを接続可能

・Windows/Macともに使用可能

価格としては8万円弱くらいで対抗馬としてはRME「Babyface Pro」やUNIVERSAL AUDIO「Apollo Twin」などが挙げられると思います。MacユーザーならApogee「Duet」「Element24」なども選択肢に入るかもしれませんね。

実際、私は購入するときにApollo Twinとかなり迷いました(笑)

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真ん中の大きなノブが印象的で、このあたりは先ほど挙げたBabyface Pro、Apollo Twin、Duetと似ていますね。マイクゲインやヘッドフォンレベルなど主要な操作つまみやボタンがわかりやすく並んでいるので直感的に操作できます。

右端のF1~F3のボタンにはそれぞれ任意に機能を割り当てることができます。割り当てられる機能は「モノラル」「位相反転」「トークバック」「モニター切り替え」の4つです。割り当てる機能を変更するには、専用のDSPミキサーソフトを使用する必要があります。

iD22の評価

良い点○

・出音がアナログライクで非常に高音質

・マイクプリがインターフェース内臓としてはとても優秀(特にギターとの相性が良い)

・センド/リターンが装備されているのが便利

・メイン出力とヘッドフォン出力の音質にほとんど差がない

・簡単にセンターキャンセルができる

悪い点×

・全端子が背面にあってセッティングが面倒(特にDIとヘッドフォンが後ろにあるのが痛い)

・サンプルレート変更時にプチノイズが入る

・PC起動時に音がバリバリになっていることがある

・Windowsではドライバーが少々不安定?

上記、それぞれの項目についてもう少し詳しくお話していきます。

アナログライクな入出力○

  • 出音がアナログライクで非常に高音質
  • マイクプリがインターフェース内臓としてはとても優秀

iD22の出音はお世辞抜きで本当に高音質です私の中でApollo Twinとの勝敗を分けたのは、この出音でした。

iD22の音は低~中音域にかけての密度が高く、非常にガッツのある音が特徴です。アコースティック系の楽器が気持ちよく聴ける音質だと思います。audientは大型コンソールでも有名なメーカーですが、そういった大型コンソールから出力されているような音といってもいいかもしれません。

私自身がアナログ大好き人間なので、こういった音質が一番聴いていてテンションが上がるのです。正直Apollo Twinのほうが周波数てきにはフラットなのかもしれませんが、聴いていてテンションの上がる音質ではなかったというのがiD22を選んだ大きな決め手でした。

マイクプリもインターフェース内臓のものとしては非常に良くできており、録音する素材によっては単体マイクプリよりも良い結果が得られることも珍しくないです。

特にギターとの相性が良い。私はギタリストなのでギターの音質にはかなり敏感なのですが、このiD22のマイクプリで全く不満はありません。単体マイクプリもいくつか所持していますが、ギターを録る場合は必ず第一候補にあがります。アコギでもエレキでも本当に綺麗に録れるのでギターを弾く人におすすめです。

ボーカルも結構良い音で録れます。ベースはこれで録ったことがないので知りません。

センド/リターンでセッティングに幅が増える○

・センド/リターンが装備されているのが便利

センド/リターンにお気に入りのEQやコンプといったアウトボードを接続することで掛け録りすることができます。そういったアウトボードを持っていなければただの飾りと化してしまいますが、後々の拡張性を考えるとあって損は無いかと思います

またリターン端子に直接接続することで、iD22のマイクプリをスキップして直接A/Dに入力することができます。これは単体マイクプリを使って録音する場合に便利で、普通なら「単体マイクプリ」→「オーディオインターフェース内臓マイクプリ」というふうにマイクプリをわざわざ2回も通してしまうところを、リターンに直接つなぐことでiD22のマイクプリを通さず、純粋な単体マイクプリの音を録音することが可能になります。

やはりマイクプリを2重で通すと音が変わってしまうので、それを防げるのは大変助かります。もちろん、あえて2重で通すのもありだと思います。

ヘッドフォン出力の音も良い○

・メイン出力とヘッドフォン出力の音質にほとんど差がない

この価格帯の製品でもメイン出力とヘッドフォン出力の音質差が気になるものがあるのですが、iD22のヘッドフォン出力は全く気になりません。メイン出力同様、非常にアナログライクに鳴ってくれます。

iD22に変える以前に使っていたインターフェースはメイン出力とヘッドフォン出力とでかなり音が違っていて、ミックスの際に迷う要因となっていましたが、今はそういうことも無くなりました。

モノラル+位相反転でセンターキャンセルができる○

・簡単にセンターキャンセルができる

F1~F3ボタンのいずれかにモノラルと位相反転を割り当てて、それらを同時に使うことでセンターに定位する音を消すことができます。この機能はミックス時に左右に広がった空間をチェックしたりするときに非常に重宝します。

知識さえあればDAW上のプラグインを使って全く同じことができるわけですが、手を伸ばしてすぐにON/OFFできることに大きな意味があるかと思います。マウスを操作するより断然早いですからね。

ちなみにFボタンに割り当てていなくても、専用のDSPミキサーソフトから操作することもできます。

audien_dspmixer

端子が全て背面にある×

・全端子が背面にあってセッティングが面倒

in/outはもちろん電源の差込口やUSB端子も全てが背面にあるので、配線を変えたりする場合は非常に苦労することになります。以前はDIとヘッドフォン端子は頻繁に抜き差ししていたので、この2つだけは本体の前面に付いていてほしかった。

今はめったなことが無い限り背面を覗き込む必要のない環境に整えたので、それほど気になっていませんが購入当初は非常に面倒な思いをしていました。

audientがこれの次から出している機種はみんな前面にDIとヘッドフォン端子が付いているので、きっと私と同じ思いをした人がたくさんいたのでしょう。

ソフトウェア面に少し不安がある×

・サンプルレート変更時にプチノイズが入る

・PC起動時に出音がバリバリになっていることがある

・Windowsではドライバーが少々不安定?

サンプルレートの変更時に必ず「プチプチ」というノイズが必ず出ます。神経質な人はかなり気になるかもしれません。

またiD22をPCにつないだまま起動させる時もプチノイズが出る場合があります。それだけならまだいいのですが、同時に出音もビットクラッシャーを掛けたようにバリバリになっていることがあります。必ず起こる現象ではないのですが、バリバリの状態で起動すると少しテンションが下がります(笑)サンプルレートを一度変更すると、このバリバリは直るので問題は無いのですが手間が1つ増えてしまうのが考えものです。

あと私のPC環境では最新のドライバーにするとなぜか不具合が増えます。(OSはWindows7を使っています)どういうわけか古いドライバーのほうが動作が安定するのでドライバーは更新せず古いままにしています。

サンプルレート変更時のプチノイズ以外は全てドライバーといったソフトウェア面に問題があるのだと推測しています。こういった問題に対処できる人以外にはあまりおすすめできないですね。Windowsユーザーは注意が必要です。Macの場合はわかりません。

まとめ

とにかく音そのものをグレードアップしたい人におすすめです。10万円を切るインターフェースとは思えないくらいの出音をしていますので、機能性も加味するとコストパフォーマンスはかなりのものだと思います。もしiD22からさらに音をグレードアップしようと思ったら、もうPrismSoundやLynxといった超高級機に手を出すしかないと思います。

あとギタリストが好きな傾向の音だと思うので、ギターを弾く人には一度試してもらいたいインターフェースと言えます。

逆にアナログライクな音なので、そういった音が好きでは無い人やソフトウェア面での問題解決に不安がある人はやめておいたほうがいいでしょう。

ちなみにaudientからは「iD14」「iD4」というインターフェースも出ています。外出先で録音するといった用途なら、この2機種のほうが小さいので良いと思います。

・audient メーカーサイト→https://audient.com/

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